研究内容
半導体製造プロセス
1. 誘導自己組織化
誘導自己組織化(DSA)は、ブロックコポリマーの周期構造を用いて、微細なレジストパターンを作る手法です。我々は、簡易相分離モデルなどを用いて、現行DSAの課題(欠陥形成や位置ずれ)解決や新規DSAの材料・プロセス設計に取り組んでいます。

2. 多成分レジスト
近年、レジストの高解像度化に伴い、化学増幅剤やクエンチャーが溶解限界近くまで使用されています。我々は、多成分レジストを対象にChemical Stochastic Noiseまで考慮した簡易モデルを構築し、最適なレジスト材料・プロセス設計を目指しています。
高分子膜製造プロセス
1. 非溶媒誘起相分離法
水処理や医療用途の高分子分離膜の製法として、非溶媒誘起相分離(NIPS)法があります。我々は、高分子の粘弾性を考慮した相分離モデルなどを用いて、NIPSで形成される相分離構造を予測し、効率的な膜設計を目指しています。

2. Flory-Huggins相互作用パラメータ算出
相分離法を用いた高分子分離膜の製造では、Flory-Huggins相互作用パラメータ(χ)が重要な制御因子となります。そこで、このχパラメータを簡便かつ高精度に算出するための実験方法並びに理論の構築に取り組んでいます。

シミュレーション基盤技術
1. マルチスケールシミュレーション
高分子材料の成形加工では、メルト状態での粘弾性が重要な制御因子となります。我々は、実験なしでも粘弾性の定量予測を可能にするため、全原子、粗視化、現象論モデルを繋いだマルチスケール計算技術の開発に取り組んでいます。
